着床前遺伝学的検査（PGT-A）について
着床前胚染色体異数性検査（PGT-A）とは、体外受精によって得られた胚の一部の細胞を採取して染色体の数や染色体の構造を調べる検査です。染色体の数や構造に異常がない（または移植可能）と判断された胚を移植します。胚染色体数や構造を移植する前に評価し、より着床、発育が期待できる胚を移植することで体外受精（ART）の成功率を高め、流産を回避できる可能性があると考えられています。
当院は日本産科婦人科学会が認定したPGT-Aの承認実施施設です。日本産科婦人科学会の「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査に関する見解」に沿って検査を実施しております。
なお、現時点でPGT-Aについてはまだ先進医療として認可されておらず、実施する場合は採卵、胚移植などを含め、周期のすべての治療が自費診療となります。あらかじめご了承の程宜しくお願いいたします。
検査の対象
着床前胚染色体異数性検査（PGT-A）の対象
検査の流れ
当院受診歴のない方はまず初診予約をして、診察を受けてください。
通院中の方は以下の流れとなります。
- PGT-A検査をご希望されているは、まず適応条件をご確認ください。
上記の適応条件を満たしている方しか検査を受けられません。 - お電話で検査前のカウンセリングを予約してください。ご夫婦の来院が必要となります。
- 日本産科婦人科学会の動画を必ずご視聴いただき、チェックシートをご記入ください。
「動画」「チェックシート」はこちら - 検査に関する同意書をお読みになってください。
「同意書」ダウンロード - カウンセリングを実施、来院の際に動画視聴のチェックシートをご持参ください。
PGT-A検査の同意書を取得、必要な血液検査を行います。 - 採卵→胚盤胞培養→胚生検後胚盤胞凍結、PGT-A検査。
- PGT-A検査結果の説明。
よくある質問
Q 分割期胚は検査できますか？
分割期胚では検査は行いません。胚盤胞培養を行い、胚盤胞まで発育できたら、検査を行うことができます。
Q PGT-Aを行った場合、新鮮胚移植はできますか？
PGT-A検査を行った場合は、新鮮胚移植はできません。一度凍結保存して検査結果を待ちます。
検査結果は2～3週間程度かかる可能性があります。検査の結果、移植可能胚が得られたら融解して移植します。
Q すでに凍結保存している胚盤胞は検査できますか？
できます。凍結胚盤胞を融解して、胚生検後再凍結となります。再凍結と再融解によって胚がダメージを受けるリスクが高くなる可能性があります。
Q PGT-Aを行えば必ず移植できますか？
PGT-A検査結果によっては移植可能胚がなく、移植に至らない場合があります。
Q PGT-Aを行えば元気な赤ちゃんが生まれますか？
PGT-Aは胚の染色体異数性を調べる検査なので、染色体以外に起因する流産や赤ちゃんの病気などはわかりません。
Q PGT-Aで赤ちゃんの性別はわかりますか？
学会の規定により、性別はお伝えできません。
Q PGT-Aをすれば、必ず結果が出ますか？
PGT-Aは、必ず結果が出るわけではありません。
細胞が採取できなかったり、検査過程においてDNAが増幅できない場合があります。
